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第92号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年6月30日)

専門家グループが自動車産業の転換を調査

2019-06-21

電気自動車や自律走行車への技術シフトが原因で、自動車産業は激変にさらされている。この転換に対応するための労働組合戦略を策定するために、インダストリオール・グローバルユニオンは6月19~20日にスイス・ジュネーブで専門家会合を開催した。

この会合には、インダストリオールに加盟している自動車労組の専門家が出席した。すなわち、スウェーデンIFメタル、ドイツIGメタル、韓国KMWU、日本JAW、南アフリカNUMSA、カナダ・ユニフォー、米UAW、英ユナイトである。

ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車部門担当部長が開会の辞で次のように述べた。
「自動車部門の変化は競争技術と政治的背景によって不均等で複雑だ。このため、労働組合の対応を練り上げるのが難しく、不確実性によって行動が遅れている」
「だが、いくつか解決策がある。明確なシナリオが浮上しており、雇用を確保する移行の優良事例がある。これに焦点を合わせることによって、労働者の権利を確実に擁護する共通のアクション・プランを策定することができる」

ドイツ・シュトゥットガルトのIMUインスティテュートのマーティン・シュワルツ=コッヘル博士が、自動車部門の現状と、今後の展開について考えられるシナリオを詳細に概説した。電動モビリティーは最もエネルギー効率の高いソリューションであり、それがなければ世界の国々はパリ気候目標を達成できない。輸送文化も著しく変化し、自家輸送から公共輸送に切り替わるだろう

いくつかの異なる自動車技術が開発されており、特にハイブリッド(HEVやPHEV)、バッテリー(BEV)、液体水素燃料セル(FCEV)が挙げられる。どれが優位に立つかはまだはっきりしない。将来の労働需要は、どのパワートレインが、いつ市場に導入されるかに依存するところが大きい。3種類の技術すべてが並行して使われる可能性もある。

シュワルツ=コッヘル博士の説明によると、現在のOEMの大量生産モデルは、3D印刷を利用する小規模な特注メーカーとの競争、組立ラインからモジュール生産へのシフト、他の形態のモビリティーへのシフトに直面している。

確固たる戦略をうまく管理すれば、雇用の減少をごくわずかに抑え、自動車産業に大きな影響が及ばないようにしながら、移行を成功させることができる。しかし、研究開発部門の労働者は特に大きな影響を受け、パワートレイン労働者の最大45%の雇用に悪影響が及ぶおそれがある。電動パワートレインは部品数がはるかに少なく、組み立てに要する労働者数も少ない。

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