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第98号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年12月31日)

「行動の必要性を十分に認識」

2019-12-16

インダストリオール・グローバルユニオン自動車作業部会は、12月9~11日にドイツのデューレンで会合を開き、自動車産業における重大な変化に対処するために10種類のアプローチを提案した。

自動車産業の転換は複雑であり、さまざまな要因に依存している。電気自動車(EV)や自律走行車(AV)の導入、新しいモビリティーの概念の出現、企業のデジタル化が世界中で見られ、その段階はさまざまである。

「行動を起こすべきときだ」と、世界中のインダストリオール加盟20組織からデューレンに集まった自動車部門代表80人は言う。気候変動、車が増えすぎたことによる全世界の市街地での大渋滞、それに新技術は、自動車事業のすべての部分に包括的影響を与える、という点で代議員の意見が一致している。

地域や国、サブセクターからの報告によると、地域によって開発のペースが異なり、すべての課題の答えが同じというわけではないことは明白である。しかし、これまでにまったくと言っていいほど変化が導入されていない地域は、現状維持でよしというわけにはいかない。それどころか、将来の開発や投資から切り離される危険がある。

この会議を準備した労働組合専門家グループは、10種類の戦略を練り上げた。これらの戦略は具体的な行動計画に変えることができ、世界中の労働者が積極的に転換に対処するうえで役立つ。この多様なアプローチは、さまざまな文化や伝統を考慮し、世界各地で不均等に変革が進んでいる現状を反映している。

会合では、緊密な政労使対話で管理される社会的責任のある移行プロセスを要求する決議を採択した。

「毎日、自動車産業の転換を取り上げる記事が目に入り、それは雇用喪失や新しい技能などの話でもあることが多い」とゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は言う。
「この2019年自動車会合は明確なメッセージを送っている。今日、自動車産業の未来に関する決定が下される。私たちはこのプロセスに積極的に参加していく」

参加者は、自動車部門の性差別とそれを克服するための新戦略に取り組んだ。4カ国・3大陸から参加した女性の同僚5人が経験を共有し、性差別と機会不均等、これに基づく大きな賃金格差に言及した。パネリストたちは、女性参画が著しく不十分な組織は効果が小さく、持続不可能であることも指摘した。来年の会合まで自動車部門のジェンダー政策に取り組むために、タスクフォースが設置された。

アメリカがロシアの自動車メーカーGAZの所有者に制裁を科しているため、GAZの労働者に深刻な影響が及んでいる問題について討議した。ネットワークは力強い連帯宣言に加えて、労働者が損害を受けないようにするためにさらなる行動の検討を約束した。

来年の会合はアフリカで開催し、アフリカ大陸における投資の増加と、それに関連する労働組合の問題・課題を中心に議論する。

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