広報ニュース

第149号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年8月22日)

マレーシアの移民労働者の虐待を防止

2022-06-10

【JCM記事要約】

  • 5月24~25日、約40人の組合・NGO活動家、移民労働者専門家、研究者ならびにILOとマレーシア労働省の代表が会合を開き、各国政府に対し、マレーシアの移民労働者の権利を保護するために労働者主導の改善プロセスの実施を求めるべく議論を行った。
  • インダストリオール・松崎書記次長は、インダストリオール加盟組織による移民労働者の積極的な組織化のみならず、より強力な手段と組合承認手続きの改革が必要である、と述べた。参加者も、労働組合は正義を求める移民労働者の権利を守るうえで極めて重要な役割を果たすことに合意した。

 

約40人の組合・NGO活動家、移民労働者専門家、研究者ならびにILOとマレーシア労働省の代表が5月24-25日に会合を開き、マレーシアで移民に対する人権および労働者の権利の侵害が広がっている件について討議した。

会合の目的は、移民労働者の斡旋報酬および関連する侵害の改善をめぐって議論し、各国政府に対し、移民労働者の権利を保護するために労働者主導の改善プロセスの実施を求めることだった。

ILOの推計によると、2017年には2490万人が強制労働に従事させられ、800万人が借金に束縛されていた。移民労働者は、リクルーターに不法または過度の手数料を払うために、高利で借金をする。彼らは低賃金で虐待的な現代の奴隷制と言うべき状況に陥っている。

松﨑寛インダストリオール書記次長は次のように述べた。

「移民労働者を組織化し、高い斡旋報酬、安全衛生の欠如、社会的保護と結社の自由の欠如のような問題に対処することが重要だ」

「インダストリオール加盟組織は積極的に移民労働者を組織化しているが、より強力な手段と組合承認手続きの改革を必要としている」

国家が改善プロセスの設計と実施に権利を持つ者を関与させる人権重視のアプローチが必要である。効果的な救済によって、移民労働者がすべてのプロセスにおいて法的資格を与えられ、参加し、権利を付与されるようにすべきである。

移民労働者の権利を侵害する企業は、もたらされた損害を認めて謝罪し、侵害を繰り返さないようにしなければならない。参加者は双方の国に対し、真の政府間求人プロセスを実施し、数百万ドルを稼ぐ搾取的な仲介者を排除するよう要請した。

ほとんどの参加者が、労働組合は正義を求める移民労働者の権利を守るうえで極めて重要な役割を果たすことに合意した。組織化のための安全な場が必要であり、組合加入に報復してはならない。

ジェンマ・フリードマンUNISON(英国最大の労働組合)国際担当役員が述べた。

「包括的な方針と改善プロセスの共通基準が必要だ。公共部門のバイヤーがこの問題を理解し、自分たちの購買力を利用して他の場所の労働者を援助できるよう、私たちが手助けする必要がある」

この会合はインダストリオール、UNISON、エレクトロニクス・ウォッチ、テナガニータおよび電子産業従業員組合西部地域(EIEUWR)が企画し、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、ネパール、バングラデシュ、台湾、ジュネーブ、英国の参加者が出席した。

このワークショップは、デンマーク人権研究所、ビジネス・ヒューマン・ライツ、グリニッジ大学環境研究グループによって支援によって行われた。

« 前のニュース  次のニュース »