広報ニュース

第155号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2023年2月1日)

女性に対する暴力撤廃の国際デー

2022-11-25

【JCM記事要約】

  • 11月25日の女性に対する暴力撤廃の国際デーから16日間の活動が開始した。この活動は、世界中で女性や少女に対する暴力を防止・撤廃し、認識の向上、提言の促進、課題や解決策に関する議論の機会の創出に向けて世界的な行動を行うことを目的としている。
  • インダストリオールは、女性委員会のもとで活動を推進する、12人のメンバーからなるジェンダー平等タスクフォースを10月に設置した。インダストリオールはこの活動を成功例や優れた慣行を共有する機会として活用することや、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)とILO第190号条約に関し男性を含めた組合員を教育するよう奨励している。

 

労働組合は、女性がハラスメント事件を非難し、率直な発言を妨げる恐怖心や不名誉のような障害を克服できる安全な場を作り出す必要がある、とインダストリオール女性委員会の両共同議長と書記次長は女性に対する暴力撤廃の国際デーにあたって述べた。

11月25日の女性に対する暴力撤廃の国際デーから16日間の活動が始まり、最後に国際人権デー(12月10日)を記念する。このキャンペーンの目的は、世界中で女性や少女に対する暴力を防止・撤廃し、認識の向上、提言の促進、課題や解決策に関する議論の機会の創出に向けて世界的な行動を要求することである。

「女性や少女に対する暴力(VAWG)は、現在この世で最も広く見られる持続的かつ破壊的な人権侵害の1つであり、それを取り巻く刑事免責や沈黙、汚名、不名誉が原因で、ほとんど報告されないままになっている」

(国連ウィメン)

5年前、#MeToo運動がきっかけで、女性や少女に対する暴力の防止・対応を求めるグローバルな動員が起こった。この文脈において、2019年のILO第190号条約と第206号勧告の採択は、仕事の世界におけるジェンダーに基づく暴力の防止・撤廃への並外れた勢いを生み出した。多くの国々で、労働組合はフェミニストやその他の人権保護団体と同盟して、この条約の批准・実施を求めて運動している。

22カ国がILO第190号条約を批准済みで、うち13カ国が過去12カ月間に批准している。批准のペースが加速している。ITUCの予想では、2030年には50カ国がこの条約を批准しているだろう。

インダストリオール加盟組織は多くの国々で、この批准に至った運動やキャンペーンに積極的に参加した。並行してインダストリオールと加盟組織は、職場でこれらの文書の実施を求めて教育や意識向上、団体交渉、キャンペーンを実施している。

暴力行為の加害者の刑事免責を防止するために、ILO第190号条約ならびに現行の法律・協定を完全に実施する必要がある。労働組合は、女性がハラスメント事件を非難し、率直な発言を妨げる恐怖心や不名誉のような障害を克服できる安全な場を作り出す必要もある。

認識や教育の面であらゆる努力や活動を実施しているにもかかわらず、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)は、すべての産業でまだ一般的に見られる。暴力やハラスメントのない仕事の世界は、まだずっと先のことである。このGBVHとの闘いは、1年を通じて日々の闘いにしなければならない!

仕事の世界におけるGBVHとの闘いは労働組合の中核問題である。組織内で全員が努力する必要がある。GBVHへの取り組みにあたって女性を置き去りにしてはならない。暴力が繰り返されないという保証はないため、労働組合は、権利を求めて闘ったり、身を守ったりしている女性労働者・組合員を継続的に支援しなければならない。男性はただ傍観していてはならない。私たちは男性にGBVHの防止・対処への全面的参加を求める。

女性委員会の下で活動するインダストリオールのジェンダー平等タスクフォースが10月に設置された。12人編成で、うち6人が男性組合員である。このタスクフォースは、この障害へのインダストリオールの対応を補強するうえで貢献する、と私たちは確信している。

16日間の活動は、認識向上によってGBVHを強調し、職場へ出かける機会を与えてくれる。16日間の活動は運動・結集の好機である。すべてのインダストリオール加盟組織に対し、この機会を利用して職場に行き、GBVHとILO第190号条約に関して、男性を含む組合員を教育するよう奨励する。

この16日間は、インダストリオール加盟組織が成功例や優れた慣行を共有する機会にもなるだろう。障害や課題に関して意見を交換するチャンスでもある。10月に女性委員会は、インダストリオールと加盟組織によるこれらすべての継続的な努力の成果を監視し、進展を足場に既存の障害を克服する戦略を策定することの重要性を強調した。

この16日間を利用してGBVHに対する取り組みを強化し、年末までに新たな戦略やプログラムを考案しよう!

ハシュメヤ・アルサーダウィ、イルバナ・スマイロビッチ両インダストリオール女性委員会共同議長、

クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長

« 前のニュース  次のニュース »