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第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

中間政策会議、公正な未来の戦略目標を設定

2023-06-29

2023年6月29日:6月20-22日のインダストリオール中間政策会議に64カ国・179組合から600人の代表が集まり、拡大する不平等格差を埋めるための基礎的要素を示すカラフルな背景が、現在および将来の課題と戦略的優先事項に関する議論の舞台を彩った。


「人権・労働組合権を擁護し、グローバル資本に対抗し、公正な生態学的・社会的転換による人道的な経済を確保したければ、労働組合の権力資源を――特に組織化によって――拡大しなければならない。私たちが取り組むすべての話題、実施するすべての活動が、組織力の強化につながらなければならない。逃げ道はない」とイェルク・ホフマン・インダストリオール会長は開会の辞で述べた。

イェルク・ホフマン・インダストリオール会長

元スウェーデン首相で元IFメタル会長・インダストリオール執行委員のステファン・ロベーン氏が挨拶で次のように語った。

「民主主義に空きスペースはない。他者への思いやり、尊重、共有、信頼、コミュニティーが必要だ。私たちがいるから私がいる。重要なのは、皆さんが他者の生活に変化をもたらしていることだ」

ステファン・ロベーン

参加者は4つの分科会セッションに分かれ、世界の不平等拡大への取り組み、組織化による組合の力の構築、企業とブランドに対する戦略、そして最後に公正な移行を通した未来の形成について話を聞き、戦略を立てる機会を得た。

分科会セッション1は、世界の不平等拡大への取り組みを中心に行われた。このセッションでは、戦略の合理化、多国籍企業とサプライチェーンのマッピング、デジタル技術の活用、グローバルな生活賃金を求める闘いについて議論した。参加者は、不平等に取り組むには組織化と団体交渉の権利が不可欠であることに合意し、富の公平な分配を確保するためにグローバルノースがグローバルな連帯を示すべきだと述べた。

分科会セッション2では、組織化による組合の力の構築が主要目的だった。下請けや不安定雇用、絶えず拡大するサプライチェーンは、組織化にとって共通の脅威である。若年労働者と女性労働者の組織化は、このセッションで議題の最初の項目だった。加盟組織は、組合間の建設的協力、特に北から南への支援が増えるだろうと述べた。代議員は、厳しい法律と国際的手段、インダストリオールの役割が組織化の強固な基盤だと判断した。

多国籍企業に説明責任を負わせることが、分科会セッション3のテーマだった。多国籍企業は説明責任を逃れるために数多くの戦術に訴えることが多く、組合つぶしや社名変更、移転、脱税をしている。これらの策略はすべて、日々、労働者に損害を与えている。すべてのブランドと国について、結社の自由と人権デュー・ディリジェンス法、安全衛生協定を擁護するために、明確な戦略的キャンペーンを策定しなければならない、とこのグループは述べた。

分科会セッション4では、公正な移行を通した未来の形成をめぐって、加盟組織が刺激的な発想を発表した。社会的対話と団体交渉は公正な移行の中核を成す、と代議員は判断した。加盟組織は、組合は公正な移行に関する対話を主導し、政府に圧力をかけて支援を求めなければならないと主張した。このセッションは、組合ネットワーク強化のために南北間の協力を要求した。セッションのもう1つの重要な成果は、すべての人、特に女性労働者のためのディーセント・ワーク機会だった。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。

「この中間政策会議のおかげで加盟組織の状況がよく分かった。多くの示唆に富む討議が行われた。これによって私たちは政治的にも組織的にも前進するだろう。決定されたプランを実施し、労働者の生活を改善するために、一丸となって取り組む必要がある」

アトレ・ホイエ

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