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第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

欧州のデュー・ディリジェンス法は正しい方向への一歩だが、EUは方法の改善が必要

2023-06-02

2023年6月2日:欧州議会は6月1日、人権・環境デュー・ディリジェンスに関する将来のEU指令についての見解を採択した。乗り気でない欧州委員会案と心配になるほど説得力のない欧州理事会の委任事項を受けて、欧州議会議員が真の企業の説明責任に向けて歴史的な偉業を成し遂げるという期待が高まっていた。最終的に先進的な取り組みが勝利を収めたが、重大な抜け穴がまだ塞がれていない。


企業の持続可能性デュー・ディリジェンス指令案に関する議会報告の採決は、利益よりも人と地球を優先し、すべての企業に説明責任を負わせるうえで重要な一歩である。

企業が環境を搾取し、自社とサプライヤーの労働者の基本的権利を犠牲にして世界中で利益を得ることができた時代は、間もなく終わる。

しかし、このプロセスはまだ終わっておらず、反対勢力は依然として活動的である。EU指令に反対するロビー活動は極めて活発で、最終的な欧州議会の採決で以下のようないくつかの勝利を達成した。国民と地球の利益のためにも行動する企業取締役の義務に言及がなくなったこと、加盟国がEUの最低限のルール以上のことをする自由裁量の余地を残さないこと、被害者の立証責任を免除しないこと、金融部門の完全包含はしないこと、である。

欧州議会が立場を選んだ今、2023年末までに予想されるEU指令の最終採択に向けて、理事会および欧州委員会との3者交渉を始めることができる。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合、インダストリオール・グローバルユニオンおよび100カ国以上の加盟組合はEUの交渉者に対し、残りの抜け穴を塞ぎ、自分たちが代表する5,000万人の産業労働者が要求している、初めての拘束力を有する多国籍デュー・ディリジェンス規則を採択するよう強く促している。

EU内外でのビジネスの実施は責任を持ってビジネスを行うことを意味しなければならず、企業は自社の行動に責任を取らなければならない。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のジュディス・カートン=ダーリング書記次長は言う。

「今回の投票は正しい方向への第一歩だが、欧州連合は労働者のために職務を遂行し、すべての企業に責任を負わせなければならない。労働者は適切な労働条件を享受し、自らの権利を尊重されてしかるべきだ! 欧州企業はサプライチェーンを見て見ぬふりをすることはできない。利益よりも人が優先!」

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。

「これはグローバル・サプライチェーンで人権を保護する企業責任と説明責任に向けた大きな一歩だ。EUは労働者の尊重、保護および権利拡大で先導的な役割を担わなければならず、この過程で闘いが続いている。次の措置は拘束力のある国連条約についても同じ立場を取ることだ」

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