広報ニュース

第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

スリランカで労働組合権に対する攻撃

2023-05-31

【JCM記事要約】

  • スリランカ政府は、全国労働諮問評議会(NLAC)から、インダストリオール加盟組織を含む4つの労働組合を排除した。政府は労働法の改革を提案している最中であり、NLACから労働者代表を締め出せば、使用者の利益に貢献する投資家よりの労働法改革へ繋がる恐れがある。
  • インダストリオール・アトレ書記長は、インダストリオールとして労働者の基本的権利を侵害しようとする政府の対応を非難するとし、除名された組合をNLACへ参加させることを要求している。

2023年5月31日:スリランカ政府は、またもや労働組合の力を弱めようと画策し、再設立された全国労働諮問評議会(NLAC)から、インダストリオール加盟組織を含む4つの労働組合を独断的に排除した。


商業・産業労組-統一労連(CIWU-UFL)、セイロン商業・産業・一般労組(CMU)、自由貿易地域・一般サービス従業員組合(FTZ&GSEU)(いずれもインダストリオール加盟組織)は、NLACから除外された4組合に入っている。

ちょうど今、スリランカ政府は現行労働法の改革を提案している。組合側の主張によれば、これは特に民間部門で独立組合を脇に追いやろうとする試みである。自由貿易地域と輸出品製造業の労働者代表をNLACから締め出せば、使用者は自分たちの利益になるように労働法改革を交渉しやすくなる。

NLACは労働関連問題について議論する政労使メカニズムである。スリランカで経済的・政治的混乱が始まってから、組合は、政府がNLAC会合を招集して労働者の状況について議論するよう要求しているが、政権側は組合の関与に興味を示していない。それどころか、政府は投資家寄りの労働法改革を提案しており、これは労働者に悪影響を与えると組合側は主張している。

マスコミの報道は、スリランカ政府が「NLAC再設立は労働組合側メンバーの参加に基づいている」と述べたことを強調している。

アントン・マークスFTZ&GSEU共同書記は言う。

「これはILO基本条約違反だ。当組合は人権委員会に申し立てを行い、NLAC再設立プロセスにおける政府の独断的かつでたらめな代表選定に介入するよう要請した。労働組合は、この関連でILOにも共同書簡を提出する」

CMUは1994年から、UFLは1995年から、FTZ&GSEUは2009年からNLACに加わっている。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

「インダストリオールは、NLACで代表される民間部門労働者の基本的権利を侵害するスリランカ政府の行動を非難する。スリランカ政府に対し、加盟組織を含む除外された組合をNLACに参加させるよう求める」

« 前のニュース  次のニュース »