フィンランドで北欧モデルに対する攻撃
2023-07-05
2023年7月5日:今年4月の選挙後、保守派指導者のペッテリ・オルポが、極右ポピュリズム政党の真のフィンランド人を含む新しい右派連立政権を樹立した。新政権が発表した計画は、労働組合運動の目標に完全に反する。この計画が実施されれば、フィンランドは他の北欧諸国の合意に基づく社会政策からさらに離れることになる。
この計画には、団体交渉や争議行為、解雇からの保護など、数多くの方面での攻撃が含まれる。
改革案の主要素は次のようなものである。
- 団体交渉において、最低賃金指令に定める一般的なEU方針に反して、全国部門レベル協約から企業レベル協約へのシフトが促進される。
- 今後は、法律によって企業協約を無効にすることができる。現在、これは全国労働協約によってのみ可能である。
- 社会的対話において、強制的な協議の最低基準が従業員数20人から50人に引き上げられる。これにより、協議を義務づけられる企業の数が大幅に減る。
- 政治的な争議行為を行う権利が制限される。
- 支援的な争議行為は比例テストの対象となる。
- 不法な争議行為に対して組合に科せられる罰金が最低1万ユーロに増額される。この法律は個々の労働者に制裁を科すことも認める。
- 現地交渉の範囲が拡大され、組合の職場委員以外の労働者代表が協約を交渉できるようになる。
- 未組織職場でも現地協約が可能になる。
- 従業員50人未満の使用者について、再雇用義務が廃止される。
- 特別な理由がなくても最大1年間にわたって有期契約が許可される。
- たとえ重大な理由でなくても、正当な理由があれば解雇が正当化される。現在の労働法は両方の基準を盛り込んでいる。
- 5日未満の欠勤の場合、病気休暇の初日は賃金が支給されない。ただし、労働災害の場合と、初日からの疾病手当が労働協約で保証されている場合は、この限りではない。
労働組合は計画を密接に監視しており、フィンランドの新政権はヨーロッパで最強の部類に入る同国の組合からの猛反対に遭うだろう。北欧モデルの労使関係は伝統的に中道右派政権によっても尊重されてきたので、この改革案はフィンランドの政治において新時代を画することになるだろう。
インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のイザベル・バルト書記次長は、オルポ政権の計画に驚きと失望を表明した。
「現在の生活費危機下で、労働組合が組合員の適正な賃金・労働条件を確保するために共闘できることが必要不可欠だ。フィンランドの計画は、建設的労使関係の精神を完全に損ない、賃金、団体交渉および社会的対話に関する最近採択されたEU文書に反する」
「またしても、極右政党が言葉で労働者の利益を擁護するふりをしているだけで、権力を握った途端、労働者にとって厳しい法改正を行うという事態が見られる」
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
「確固たる労使関係の伝統のある国が一般大衆重視の方針を退け、労働者の権利を攻撃して弱体化させようとしていることは実に嘆かわしい。建設的対話と労働者の基本的権利の尊重という柱を維持するための闘いにおいて、私たちはフィンランドの組合を強く支持する」
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