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第161号インダストリオール・ウェブサイトニュース

スウェーデンでホワイトカラー労働者のアップスキリングとリスキリングに合意

2023-09-28

【JCM記事要約】

・スウェーデンの国会で、補助金や融資で訓練、リスキリング及びアップスキリングに必要な資金の提供をするという新しい法律が2022年6月に採択され、組合である2団体(スウェーデン大卒技師連合・ユニオネン)が先頭に立ち、スキリングとリスキリングに関する協定を2023年9月に締結させた。

・インダストリオール・クリスティン書記次長は、すべての労働者、特にホワイトカラー労働者を対象としたこの協定の重要性を述べた。

2023年9月28日:減収を伴わない万人のためのアップスキリングとリスキリングが、スウェーデンの政労使協定の主な狙いである。すべての労働者のためになるこの協定は、特にホワイトカラー労働者にとって非常に重要である。


スウェーデンのソーシャル・パートナーは昨年、技能開発に関する2つの全国協定を結んだ。これらの協定は、2022年6月にスウェーデンの国会で採択された新しい法律と関連がある。この法律は、補助金や融資によって訓練、リスキリングおよびアップスキリングに必要な資金を提供する。スウェーデンのホワイトカラー労組であるスウェーデン大卒技師連合とユニオネンの2団体も、先頭に立ってこの協定をまとめた。

これはスウェーデンの組合にとって歴史的な協定であり、スウェーデンの労働市場で長年にわたって見られなかった域に達している。

開発やデジタル化、人工知能が、必要とされる技能に大きな影響を与えている。このような状況下で、この2本の協定は、新たな進展にさらされている高度熟練労働者が、これらの新技術によって要請される技能に対応し、雇用可能性を維持し、新規雇用に移行できるようにするうえで重要である。

エンジニアは新技術に対応し続けなければならず、この協定は何か新しいことをしたり、キャリアパスを変更したりできるようにするので、各人に雇用市場により長くとどまる機会を提供する。

「自動車産業を例に取れば、多くのエンジニアが内燃機関について訓練を受けており、電気自動車向けに新技能を習得する必要がある。あるエンジニアが定年に近づき、知識を移転したり数学や科学を教えたりしたいと考えている場合に、この協定がその実現を可能にすることもあり得る。たとえ最終的な署名にこぎつけるまで交渉したのが労働市場の当事者であったとしても、政府のバックアップがあるのも好ましいことだ」とスウェーデン大卒技師連合のウルリカ・リンストランド会長は言う。

移行のための教育支援と呼ばれるこの協定は、組合員を訓練する権利を確立している。移行のための新しい教育支援は、過去14年間に少なくとも8年間働いた人に適用される。これらの協定は既存の教育支援制度と並行して実施される。補助金は純所得の80%を限度に支給され、追加融資の可能性もある。

フルタイムで働いており、もう一度勉強を始めたいと考える人は、経済的負担を被ることがある。この新しい補助金は既存の教育支援制度よりも寛大であり、期間は短くなるが、労働者はフルタイム学習のために44週間を限度に受給することができる。就労移行、雇用労働者の技能改善と雇用保障、継続的学習の促進が、この新協定の構成要素であり、その結果、企業は生産性の高い熟練労働者を確保できるようになる。

しかし、新しい改革が始まるときには課題がある。ユニオネンの場合、補助金の管轄当局は資源不足から、すべての申請を間に合うように処理することができていない。これは新しい予算で管理できるだろう。もう1つの課題は、総合大学でも職業大学でも、短期の公認コースを必要とする組合員を対象とする教育の場が不足していることである。

「この協定を歓迎する。ユニオネンはその実現を推進した組織の1つだ。私たちは1970年代からリスキリング、アップスキリング、継続教育に取り組んできたが、主として組合員が職を失いそうなときや失業しているときに重点を置いている。この協定は、デジタル化が原因で労働市場が絶えず変化しているため、仕事に就いているときにも継続教育が必要だという認識に立っている」とアンナカリン・ウォール・ユニオネン国際書記は言う。

インダストリオール・クリスティン・オリビエ書記次長が述べた。

「スキリングとリスキリングに関するこの協定は、公正な移行を可能にするために重要だ。これらの協定が、遅れずについていかなければ、新技術のために適切な訓練を受けなければという大きな圧力にさらされているホワイトカラー労働者を含めて、すべての労働者を対象としている点が重要だ」

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