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第162号インダストリオール・ウェブサイトニュース

労働者、半導体産業の課題への対策めぐり議論

2023-10-31

2023年10月31日:10月16日にグローバル半導体労働組合ネットワークの第2回バーチャル会合が開かれ、12カ国から25人の専門家と組合代表が参加、急速に変化する産業の課題に取り組んだ。


議論の焦点となったのは、市場規模が10年後に記録的な1兆9000億米ドルに達する見込みのある半導体産業における展開だった。COVIDパンデミック下の半導体不足はサプライチェーンの脆弱さを露呈した。

米中貿易戦争はハイエンドチップの売上高を抑え、不可欠なチップ製造用金属の輸出規制を招いており、サプライチェーンがさらに混乱する恐れがある。半導体産業は炭素削減を助長しているものの、生産段階でCO2その他の温室効果ガス排出に大きく貢献している。チップ生産は、大量の水とエネルギーの利用を必要とする。ハイエンド半導体への需要が増加の一途を辿る一方で、設計者が不足している。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のオーロラ・ロッシ政策顧問が、ヨーロッパの半導体産業、さまざまな部門におけるその重要な役割、半導体産業が直面する課題について発表した。欧州半導体法は、分裂したサプライチェーンと供給停止に取り組むことによって、ヨーロッパのマーケットシェアを9%から少なくとも20%に増やすために導入された。

グッドエレクトロニクス・ネットワークのイェルーン・メルクが、この産業は急成長しており、数社に資本が集中していると説明した。プレゼンテーションの中で、労働者不足、労働安全衛生、労働組合化に対する抵抗のような問題も取り上げられた。地政学的状況と、半導体サプライチェーンを確保するための業界の闘いも強調された。

参加者はフランスとスペインの例を挙げて、チップ産業の安全衛生システムを検討し、有毒な製品やリスクから労働者を保護することの重要性を力説した。北側諸国で基準を強化する必要がある。これはグローバルサウスの労働者を取り巻く状況の改善にも役立つだろう。

韓国の例に基づいて、半導体・電子産業における職業病の認識と対処(政府の承認、影響を受けた労働者のための補償制度など)の重要性が強調された。職場関連の健康問題を証明することの難しさや、認識向上と研究の必要性も、依然として問題となっている。

マレーシアにおける半導体会社の組織化に関連する課題と努力、近づきつつある労働法改革に関する議論、欧州半導体法と米国CHIPSおよび科学法が業界に及ぼす影響も、この会合の議題だった。

参加者は、組織化活動、安全衛生、電子産業労働者への支援をめぐって引き続き討議したいとの意思を示した。会合では、情報を共有し、半導体労働者のより明るい未来のために一丸となって取り組むことの重要性が強調された。

アレクサンダー・イワーノウ・インダストリオールICT電機・電子担当部長が述べた。

「このネットワークは進化している。半導体産業で新規雇用が創出されているため、企業の立地と組合の存在についての知識を高めることが不可欠だ。インダストリオールは今後も組織化にあたって加盟組織を支援していく。私たちは組合として、安全衛生を確保して人権・労働権を保護するために、労働者に豊富な経験と知識を提供することができる」

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