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第162号インダストリオール・ウェブサイトニュース

バングラデシュで最低賃金めぐる抗議が激化し、警察が労働者を射殺

2023-10-30

2023年10月30日:バングラデシュで数千人の衣料労働者が街頭に繰り出し、最低賃金の引き上げを要求する中、警察が抗議デモを鎮めるために暴力的な行動を取り、先ほど衣料工場労働者1人を射殺した。


10月22日の第4回賃金委員会で衣料工場主が1万400バングラデシュ・タカ(94米ドル)への最低賃金増額を提案してから、ダッカ全域で抗議行動が激化している。生活費の上昇を考えれば、工場主側の賃上げ案は日々のニーズを満たすには不十分である。

ガジプールのデザイン・エクスプレス衣料工場の労働者Rasel Howladerが、先ほど警察によって射殺された。デザイン・エクスプレスは組織化工場で、組合はインダストリオール加盟組織SGSFの傘下である。ここ数日間に、3人のオルグ(BGTLWFのMasud Rana、BMCGTWFのMossarrof Hossain、BIGUFのJewel Miya)が逮捕された。警察は器物損壊と暴行を理由に、その他何人かのオルグと労働者を告訴した。

バングラデシュで警察が労働者に暴行している今、ジュネーブではILO理事会が開催されている。ILO理事会では、ILOロードマップの実施に関してバングラデシュ政府が提出した最新の経過報告に検討を加える。政府が措置を講じたことを示す必要があるロードマップの優先分野の1つは、組合に対する差別と労働者に対する暴力である。

アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長は言う。

「最低賃金の引き上げを正当に要求した活動家が、警察に暴行されるというのは恐ろしいことだ。ILOロードマップの実施に関する政府の報告は、特に組合に対する差別と労働者に対する暴力への対処に関して現実を反映していない。インダストリオールはバングラデシュ政府に対し、警察が抗議中の労働者に対して武力を行使しないようにすることを求める。インダストリオールは政府に、衣料労働者の最低賃金を2万3000バングラデシュ・タカに増額することも求める」

インダストリオール加盟組織を含むバングラデシュの衣料労組は、今年に入ってから、8000バングラデシュ・タカ(75米ドル)から2万3000バングラデシュ・タカ(215米ドル)への最低賃金増額を要求している。政府が最後に最低賃金を見直したのは2018年で、その際、新人衣料労働者の最低賃金が8000バングラデシュ・タカ(75米ドル)に設定された。

写真:10月22日、衣料労働者同盟傘下の65団体を超える衣料労働者連盟が、ナショナルプレスクラブから最低賃金委員会の事務所まで行進し、最低賃金を8000バングラデシュ・タカ(72米ドル)から1万400バングラデシュ・タカ(94米ドル)に増やすという衣料工場主の提案を拒絶した。

インダストリオール・バングラデシュ協議会は衣料労働者同盟に加盟しており、最低賃金を2万3000バングラデシュ・タカ(207米ドル)にすることを要求している。

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