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第33号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年2月)

IBM労組が雇用削減の中止を要求

2015-02-20

  世界中のIBM労働者を代表する労働組合は、この窮状に陥った多国籍企業のリストラをめぐってマスコミによる憶測が飛び交う中で、雇用削減の緊急停止と有意義な労使対話を求めた。

「大量失業に脅かされている世界中のIBM従業員を怒らせているのは、IBMの財務実績が11四半期連続で低迷してるにもかかわらず、経営幹部が数百万ドルのボーナスを受け取っていることだ」と松崎寛インダストリオール・グローバルユニオンICT・電機・電子担当部長は述べた。

 「全世界のIBM労働者がIBMの成功を望んでいるが、IBM経営幹部は、従業員が事業の成功のための資産であり、負債ではないことを認識する必要がある。IBMにとって、IBM労働者を代表する労働組合とオープンかつ建設的な対話を緊急に行い、現状とその理由を説明することが不可欠だ。労働力との協力を拒否しても解決策にならない」

  ICT産業で300万人の労働者を代表するスイスのUNIグローバルユニオンで情報・コミュニケーション・通信部門の責任者を務めるアラン・テートは、次のように述べた。「世界中のIBM労働者は、メディアを通じて雇用削減に備える方法を学んでいる。現在の不確実な状況は組合員の間で不安をかき立てており、使用者としてのIBMの評判を傷つけている」 「アメリカやカナダなどから、IBM労働者が解約通知を受け取っているという報告が入っている。そのほかにも、雇用削減の拡大を正当化するためにIBM労働者の作業評価(「PBC」)が人為的に引き下げられているとの報告がある。一方、同社のインサイダーの報告によると、労働コストと社会的保護が大幅に低い国々に仕事を移転するために、雇用が打ち切られている」

 アメリカを拠点とするAlliance@IBM米国通信労働組合(CWA)第1701支部によると、アメリカとカナダでの雇用削減の脅威にさらされている労働者は合計5,000人を超えるかもしれない。

  IBM労働者のためのIBMグローバル・ユニオン・アライアンスのメンバーは、会社側に雇用削減計画の停止を要求し、「従業員は生産性と革新にかつてないほど真剣に取り組み、会社の災難を解決しようと努力しており、その従業員を解雇するのは経営上賢明なことではない」と明言している。

 同アライアンスは会社側に対し、従業員および労働組合代表と協約を締結し、士気を高める手段として、従業員の会社への貢献を会社側がどれだけ評価しているかはっきり示すことも要求した。IBMグローバル・ユニオン・アライアンスの主な要求は以下のとおりである。

●雇用削減の全面停止

●労働条件改善、公正な評価制度、IBM社員全員への報酬・ボーナス・非給料関連給付の支給

●社会的対話と交渉、労働協約のパートナーとしての労働組合の全世界における承認

 

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