第37回労働リーダーシップコース
 
開校式

司会若松次長 竹中眞氏 竹中校長式辞
司会をつとめた
若松次長
竹中眞氏によるピアノ演奏 竹中校長の式辞
 開校式は、若松英幸事務局次長の司会で、小春日和の晴天の中、竹中校長のご子息、高名なジャズピアニストでボストン音楽大学教授である竹中眞氏によるピアノ演奏でスタートした。
 冒頭、竹中校長が式辞を述べられ、「今年のテーマは『原点に還って』としたい。基本に立ち返って、もう一度自分自身を見つめなおすとともに、労働組合の原点を考える機会としたい。何が労働組合のレゾン・デートル(存在理由)なのか、考える機会としてほしい。また、それぞれの人間の原点についても考えてみる機会としてほしい。自然に恵まれたこの学び舎でみんなで仲良く、よく学びよく遊んでほしい」と励ました。
加藤議長挨拶
加藤議長
八田英二名誉校長挨拶
八田英二名誉校長
太田俊明政策統括官
太田俊明政策統括官
中瀬古関西ブロック代表挨拶
中世古関西ブロック代表
中條運営委員長挨拶
中條運営委員長
     次に、主催者を代表して加藤裕冶金属労協議長が挨拶した。「JC結成3年目の1967年に東日本で、5年目にしてこの西日本の労働リーダーシップコースを開校した。新しい金属労働運動のリーダー育成をJCは重視し、際立った草分け的な教育コースとして注目を集めてきた。現在までに東西合わせて2000名を超す人材を労働運動の場に送り込んできた。3週間弱寝食を共にしながら、単なる知識習得のみでなく、人間を鍛える場として活用してほしい。今年は労働組合の転換点といわれている。今回の労働リーダーシップコースで是非何がしかの方向性を見出してほしい。結成40周年たち、日本の屋台骨を支えてきたJCが、この21世紀にも日本を支えるべく、そのヒントを今回のコースで見出していってほしい。」と述べた。
 続いて、労働リーダーシップコース名誉校長である八田英二同志社大学学長が祝辞に立ち、「この労働リーダーシップコースは、受講生が社会人の皆さんなので、講師の先生方も現役の学生に話すようなわけにはいかず、先生方にとっても非常に勉強になっている。このコースの重要なことは、専門知識を身に付けることだけでなく、人間性とネットワークを培うことである。学校とは期間、長さではない。深く濃い学問を学び、濃い人間関係を創れる場が学校であり、母校である。その意味で、この関西セミナーハウスこそ皆さんにとっての母校といえる。皆さんのご健康とご健闘を祈ります」と述べた。
 次に、来賓として厚生労働省の太田政策統括官から祝辞をいただいた。太田統括官は、労働行政をとりまく課題についてフリーター・ニートなど若者の雇用問題、地域間格差など雇用情勢、非典型労働者の増加など雇用の質の問題などについて分析するとともに、2006年度の重要施策について紹介した。最後に、労働組合の課題として、「近年の日本の社会は格差が拡大している。非典型労働者は全体の3割を超え、女性にいたっては5割が非典型労働である。これは健全な経済・社会にとってはマイナス要因となっている。従来、日本経済の良さは、チームワークであり、労働者の満足感、意欲、やる気を重視してきた。これを実現するためには、政労使の協力が必要であり、その中でも労働組合の役割は大きい。就業形態の多様化の中で、非正規労働者の組織化や均衡処遇の実現に向けて労働組合の役割を果たしていってほしい」と激励した。
 続いて、地元のJC関西ブロックを代表して、中世古幸治代表が挨拶に立ち、「忙しい中、参加された受講生の皆さん、職場のことが心配でしょうが、職場では後輩の皆さんが、受講生の皆さんの代わりに仕事をしています。それもまた訓練の機会なのです。我々がこういう研修に参加することは、同時に後輩の諸君の新たな訓練の場を与えていることになることも忘れないでほしい。このコース期間中、労組の新たな存在価値を求めて研鑚に励んでほしい」と激励した。
 次に、運営委員長の中條毅同志社大学名誉教授が挨拶に立ち、「第9回以降、竹中校長とともに、このコースの運営に携わってきた。時代の変革期を迎え、少子高齢化の問題がクローズアップされている。新年を迎え、おめでとうと言いたい所だが、今年はいろんな面でゆさぶられる年になりそうだ。コース受講にあたって希望を一点述べておきたい。それは、職場の問題にあまり固執するなということです。ある意味では、職場のことは一時置いておいて、大きな歴史の中で労働運動の原点について考えてほしい。視点を大きく持って、伸び伸びと学んでほしい」と述べた。
受講生代表決意表明
受講生代表決意表明
 続いて、副校長の平田哲アジアボランティア代表が挨拶に立ち、「この関西セミナーハウスは、"話し合い"の場である。いろいろな職種や課題別の人々が一同に集い、いろいろな社会の課題について皆で学びあう学び舎である。食事もおいしく、水もおいしい。是非人と人と深く交わって研鑚を積んでほしい」と述べた。
関西セミナーハウス活動センターの田中紀代三所長から歓迎の挨拶を受けた後、最後に、受講生を代表して、神戸製鋼所労組高砂支部の栗田裕也さんが受講に当たっての決意表明を行い、開校式を終了した。




貿易ゲームでグループ形成
貿易ゲーム高橋主事の指導で進行
貿易ゲーム高橋主事の指導で進行

開校講演とオリエンテーションの後、高橋正関西セミナーハウス活動センター主事の指導のもと、ゼミ別に分かれて、貿易ゲームを通して、グループ形成を行った。






夕食交流会

 第1目の晩は、夕食交流会。恒例のすき焼きパーティーで懇親を深めた。平田副校長の音頭で、コースの成功と全員の健康を祈り、乾杯した。
 その後の全体ミーティングでは、各人の自己紹介の後、班長・副班長をはじめ、座長などを決めた。最後に、5人の班長の中から互選で、マツダ労組の高松俊二さんを全員の拍手で級長に選んだ。第1回実行委員会を行い、散会した。この後、ほぼ全員がアゴラホール脇のラウンジに集まり、更に懇親を深めた。