闘争の推進(闘争方針)2005年闘争の推進

CONTENTS
T.2005年闘争をとりまく情勢
U.2005年闘争の基本的な考え方
V.具体的な取り組み
W.2005年闘争のすすめ方

T.2005年闘争をとりまく情勢


@ 日本経済は、輸出、設備投資、個人消費の拡大によって景気回復が続いており、2004年度は、実質3%程度、名目で1%強の経済成長が見込まれます。一方、アメリカ、中国、ヨーロッパ経済や為替の動向など先行き不透明感が増しており、輸出の鈍化、社会保険料負担増等による個人消費の伸び悩みが予想されます。
また、消費者物価指数の上昇率は、基調として0〜マイナス0%台前半で一進一退となっており、いまだデフレからの脱却は困難となっています。
 一方、2003年度のマクロベースの労働分配率(雇用者1人あたり名目雇用者報酬÷就業者1人あたり名目国内総生産)は、1960年代以降で史上最低となる61.9%、金属産業の売上高人件費比率も低下傾向となっています。

A 金属産業各企業の業績は増収増益傾向であり、一部に改善の遅れがみられるものの、全体として回復しています。ただ、ストック面では、回復しつつあるものの、改善が不十分なところがあるなど、バラツキが大きくなっています。
  金属労協集計対象A組合の企業62社の2004年度決算予測(連結)は、対前年度比増収予測が52社、減収予測が9社となっています。また、営業利益は、増益予測が52社、減益予測が9社となっており、経常利益では、増益予測が54社、減益予測が7社となっています。

B 完全失業率は改善しつつあるものの、依然として4%台後半と高水準になっています。1年以上の長期失業者は3割程度に達し、フリーター、ニート(NEET)など、若年者の雇用問題が深刻化しています。
 非典型雇用は3割程度にまで拡大し、正社員との雇用、労働条件の格差が拡大している。金属産業における非典型雇用の拡大は、技術・技能の継承・育成を危うくするとともに、正社員の仕事の負荷も増大させています。さらに、正社員の雇用や労働条件にも影響を及ぼすことも懸念されています。

C 賃金水準は低下傾向が続き、規模間格差は拡大しています。金属産業の賃金水準は全産業平均の95%程度にとどまっています。一時金水準は全体として回復しているものの、JC傘下全組合のうち半数近くが年間4カ月未満となっています。
 また、限られた人員のもとで仕事量が増大しており、超過労働を中心に実労働時間が増加傾向となっています。

D 少子・超高齢化の進展に伴い、高年齢者雇用安定法の改正、次世代育成支援推進法の制定などの政策が実施されており、社会の変化に対応した労働条件の整備が必要となっています。
 また、世界的に発生した企業不祥事、環境問題への関心の高まり、消費者意識の高まりをきっかけとして、世界的にコンプライアンス(法令遵守)経営、企業倫理・環境経営などを中心とする「CSR=企業の社会的責任」が強く求められていることから、雇用・労働面での対応が重要となっています。


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U.2005年闘争の基本的な考え方

「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」の実現をめざす
総合生活改善闘争の推進

右肩上がりの経済成長から成熟型経済への移行に伴い、産業・企業のおかれた状況の違いが顕在化しています。このため、従来の春闘における、大手労組が相場形成を行い、中小労組に波及させていく賃金決定メカニズムが変化しており、新たな春闘への変革が求められています。
こうした時代の変化に対応して、金属労協は、「第2次賃金・労働政策」において、金属産業勤労者のめざす新たな働き方として、「長期安定雇用の実現」、「仕事を通じた自己実現」、「仕事・社会・家庭生活の調和」による「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」を提起しました。そして、仕事や役割を重視した個別賃金水準の相場形成をめざす「大くくり職種別賃金水準の形成」や、社会的に共通化すべき総合労働条件の構築によって、その実現をめざす取り組みを展開することとしました。
その実現に向けた取り組みの第一歩を踏み出し、日本経済の成長や企業業績回復の成果を職場実態に応じた総合労働条件へ反映させるとともに、あるべき労働条件の指標を示すことによる未組織労働者を含めた社会全体への波及をめざし、社会的な共感を呼び起こす運動を推進します。


1.総合労働条件の改善

@ 競争力の源泉である勤労者が能力を発揮し、やりがいを持って働くことのできる、基幹産業である金属産業にふさわしい賃金水準の実現を図ります。
その第一歩として、大くくり職種別賃金水準の形成に向けた条件整備を進めるとともに、産業・企業の実態を踏まえて、産業間・産業内の賃金格差是正に積極的に取り組みます。

A 経済・社会が大きく変化する時代にあっては、労使が率先して組合員のニーズや社会の変化に対応した労働条件の枠組みをつくり、法整備につなげていくことが重要になっています。
「生活との調和と自己実現をめざす多様な働き方」の実現に向け、職場の実態に即して解決すべき問題の優先順位を明確にし、労働時間をはじめとした諸制度の充実や適正な運用を図ります。

B JCミニマム運動(JCミニマム(35歳)、最低賃金協定、法定産業別最低賃金)の取り組みなどによって、企業内における労働条件決定を、未組織労働者を含めた社会全体へ波及させる運動を推進します。


2.政策・制度の取り組み

○ 総合労働条件改善の取り組みと連動して、「生活と

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V.具体的な取り組み


1.総合労働条件の改善


日本の金属産業の競争力は、生産現場における生産性向上、品質改善能力など、ものづくりの力が充実していることや、技術・技能の集積・厚み、ネットワーク力、開発力、コストパフォーマンスなど、生産現場と研究開発現場、素材や部品にかかわる関連企業などが一体となった総合力の強さによって支えられています。今後とも金属産業が日本経済を支える基幹産業として発展していくためには、こうした特筆すべき強みを活かしながら国際競争力を維持・強化し、高付加価値製品の開発・生産を軸としながら海外生産拠点との棲み分けによって、国際的な役割分業を図ることが必要です。技術力・開発力・現場力の一層の高度化を図り、独創性を高めながら独自の技術・技能を継承・発展させていくとともに、金属産業の総合力の強さを生かすためには、個々の企業だけでなく、金属産業全体を強化していかなければなりません。
そのためには、競争力の源泉である勤労者が能力を十分に発揮し、やりがいを持って働くことのできる労働条件や環境条件を創り出すことが必要です。そのことによって、職場組合員の活力を高めるとともに、企業の人材確保にもつなげ、国際競争力の強化につながる好循環を生み出さなければなりません。こうした観点から、高付加価値を生み出す金属産業にふさわしい総合労働条件を確立していきます。

(1) 賃 金

@ 金属産業にふさわしい賃金水準をめざす取り組み

a.大くくり職種別賃金水準形成に向けた取り組みの具体化

仕事・役割重視、絶対水準重視による「大くくり職種別賃金水準形成」によって、産業間・産業内格差を是正し、金属産業の位置づけにふさわしい賃金水準の実現をめざします。
取り組みの具体化に向けて、それぞれの産業を代表する「基幹労働者(産業ごとの代表職種における中堅労働者)」の銘柄指標づくりを進めます。将来的には、社会的な影響力を持ちうる金属産業の賃金水準の形成をめざしていきます。
具体的な取り組み
○大くくり職種別賃金形成に向けて、仕事・役割重視、絶対水準重視の個別賃金決定に向けた取り組みを推進します。2005年は取り組み可能な産別、単組からスタートしていきます。

b.賃金水準の引き上げ
金属産業の賃金水準は、全産業平均の95%程度となっており、日本経済を支える基幹産業としての金属産業の位置づけにふさわしい賃金水準とはなっていません。わが国の基幹産業にふさわしい賃金水準を追求すべく、今後とも産業間格差改善の取り組みを推進していかなければなりません。
具体的な取り組み
○産業間・産業内の賃金格差の実態や、業績回復に対する組合員の貢献を踏まえ、積極的に格差改善に取り組みます。


@.標準労働者の到達目標
*集計対象A組合(1,000人以上)の賃金水準に基づき、取り組み目標として設定
○高卒35歳・勤続17年・技能職を309,000円以上
○高卒30歳・勤続12年・技能職を266,000円以上

A.標準労働者の最低到達目標
*金属産業における賃金格差の圧縮を図るため、全単組の到達をめざす水準として設定
○上記、標準労働者の到達目標の8割程度

c.賃金構造維持分の確保と賃金制度確立
現行の賃金水準を維持するためには、制度的な昇給、すなわち「定期昇給(相当)分、昇進・昇格源資など」を現行賃金制度・体系に基づいて実施することによって、賃金構造維持分を確保することが必要です。賃金制度の見直しによって成果主義的な要素が高まる傾向にありますが、年齢ごとの生計費の違いや標準的なスキルパスは存在しており、賃金構造維持分は確保されなければなりません。
さらに、同一銘柄における賃金水準を維持・確保するためには、賃金構造維持分といった引き上げ基準だけの取り組みだけではなく、個別賃金水準を把握しながら、より水準そのものを重視した取り組みを強めていく必要があります。
一方、金属労協全体でみると、賃金体系が制度的に確立されていないところが多い実態にあり、賃金制度整備が極めて重要な課題となっています。賃金構造維持分を確保できないことによって結果として同一銘柄における賃金水準が下がることのないよう、JC共闘全体として、定期昇給制度を含む賃金制度整備を図っていくこととします。同時に、賃金制度整備を通して、配分方式の確立を図ることとします。
具体的な取り組み
○金属労協傘下のすべての組合は、同一銘柄における賃金水準の維持・確保を図るため、賃金構造維持分確保の取り組みを強力に進めます。
○定期昇給(相当)分込みで取り組む組合については、産別指導のもとで、実態を踏まえて対応することとします。なお、定期昇給(相当)分は、金属労協全体として2%、6,000円程度とします。
○大くくり職種別賃金水準を示すことができる賃金制度確立に向けて取り組みを進めます。


A JCミニマム運動(JCミニマム(35歳)、最低賃金協定、法定産業別最低賃金)の推進

 組織労働者の賃金水準の下支えを図るとともに、最低賃金協定の締結を法定産業別最低賃金の取り組みに連動させ、非典型労働者、未組織労働者を含めた金属産業で働く勤労者全体の賃金の下支えを図ります。
「JCミニマム(35歳)」は、金属産業で働く35歳の勤労者の賃金水準を明確に下支えし、その水準以下の賃金で働くことをなくしていく運動と位置づけます。当面は、金属労協傘下組合で働く35歳のすべての組合員を対象とします。各産別がそれぞれの実態を踏まえて、これ以下をなくすための具体的な取り組み推進を行っていきます。
最低賃金協定の締結は、企業内における全従業員の賃金の下支えとして機能させるべく取り組みます。法定産業別最低賃金の適用が18歳以上65歳未満であることから、18歳以上を対象とした最低賃金協定を重視します。最低賃金協定の締結を法定産業別最低賃金の取り組みに連動させることによって、金属産業で働く基幹的労働者の賃金水準の下支えを図ることとします。
具体的な取り組み
a.「JCミニマム(35歳)」の確立
○金属産業で働く勤労者(35歳)の賃金の最低到達基準を「JCミニマム(35歳)」として示します。
○「JCミニマム(35歳)」は、210,000円とします。

b.企業内最低賃金協定締結の強化
○金属産業の18歳最低賃金の金額水準は、149,500円以上とし、全単組の締結をめざします。

c.法定産業別最低賃金の取り組み強化
○金属産業に働く勤労者全体の賃金水準の底支えを図るため、法定産業別最低賃金の金額改正、新設に取り組みます。



(2) 一時金

 2005年闘争においては、業績改善が図られていることから、当然の成果還元として一時金水準の引き上げを図ることとします。
 近年、業績を反映する傾向が強まっていることから、業績のバラツキとともに一時金水準の格差が拡大してきています。厳しさが続く家計の状況を踏まえ、業績の厳しい組合においても、生活の安定確保や一時金水準の格差是正の観点から、一時金の最低獲得水準(4カ月)の維持・回復を図るための取り組みを行います。
具体的な取り組み
○一時金の要求は、年間5カ月を基本とします。
○年間総賃金の安定確保に向けて、一時金に占める固定的支出を念頭に、最低でも年間4カ月を確保することとします。


(3) 労働時間およびその他の諸制度の取り組み
 
@ 労働時間

近年、人員の縮減や非典型雇用の増加などに伴い、正社員の一部では過重労働が顕著になっており、過労死なども増加しています。このような事態は人間の尊厳をおかす重大な事態であり看過する事はできないものです。
金属労協は、1989年に策定した時短5カ年計画以降、年間総実労働時間1,800時間台の実現に取り組んできましたが、未達成のままとなっています。失業率が高水準となっているもとで、雇用の維持・確保を図る観点からも、長時間労働を是正し、金属産業で働くすべての勤労者について年間総実労働時間1,800時間台を早期に実現する取り組みが重要となっています。同時に、ゆとりある生活時間の確保によって仕事と生活の調和を図る、これからの新たなライフスタイルを構築する観点からも、取り組みを進めていきます。
具体的な取り組み
○生活との調和を図り、雇用の維持・確保を図る観点から、年休取得促進や超過労働の削減等によって、金属産業で働くすべての労働者について、年間総実労働時間1,800時間台の実現をめざします。
○2005年闘争では、不払い残業を撲滅すべく労働時間管理の徹底を図るとともに、36協定特別条項の見直しに伴い、要員確保を含めた取り組みを強化します。
○さらに今後、割増率引き上げの取り組みに向けて、労働時間法制や労働時間政策のあり方を早急に論議していきます。


A 60歳以降の就労確保

60歳以降の就労確保は、2000年闘争以来、JC共闘の重要な取り組みの柱として金属労協全体で取り組みを継続してきています。
年金満額支給開始年齢との接続により生計費の確保、技術・技能の継承・育成による産業・企業基盤の強化、ともに社会を支え、生きいきとした高齢者生活を実現する観点から、60歳以降就労確保の3原則に基づく取り組みを図ります。
具体的な取り組み
○60歳就労確保の3原則
・ 働くことを希望するものは、誰でも働けること。
・ 年金満額支給開始年齢と接続すること。
・ 60歳以降就労するものについては、引き続き組織化を図ること。


B 仕事と家庭の両立支援

急速に進む少子化の流れに対して、安心して子供を生み育てられる環境づくりを進めるべく、「次世代育成支援対策推進法」や「改正育児・介護休業法」に積極的に対応し、仕事と家庭の両立支援に取り組みます。
具体的な取り組み
○「次世代育成支援対策推進法」に対応した行動計画の策定およびそのフォローには労働組合が参画し、組合員の意見反映に努めます。
○仕事と家庭の両立支援のために、育児・介護に関連する制度の充実を図ります。
○仕事と家庭の両立につながる実労働時間の削減を図ります。


C 労災ならびに通災付加補償

重大災害が増加する一方で、過重労働・メンタルヘルス対策や、分社化や雇用形態の多様化などに伴う安全衛生管理体制の確立が重要課題となっています。労働災害ゼロ職場を確立し、不幸にして起こった労働災害には、企業に対して責任を持った対応を求めます。
具体的な取り組み
○金属産業に働く者の死亡ならびに障害等級1〜3級(退職)の付加補償水準として到達すべき3,200万円に未到達の組合は、当面3,200万円への引き上げをめざした取り組みをすすめます。
○通勤途上災害についても、労災に準じて取り扱うことを基本に、取り組みます。


D 退職給付制度の整備

退職金・企業年金に関わる法改正が次々と図られてきています。これらの制度見直しや、各企業年金財政の悪化などを背景に、賃金・処遇制度の見直しなどに併せて、退職金・企業年金制度についても、抜本的な見直しの動きが活発化しています。
退職後の生活は、公的年金を基礎として、退職金・企業年金、個人年金などの自助努力などをあわせたトータルな収入で営まれており、退職金・企業年金は退職後生活の重要な柱の1つとなっています。こうした退職金・企業年金の持つ役割を踏まえ、退職後生活の安定をベースとした退職金・企業年金水準の確保を図ります。
具体的な取り組み
○制度改定を行う場合には、給付水準が低下することのないよう、等価転換の原則を基本とした制度改定を行います。
○産業・企業の実態を踏まえて、退職給付水準の引き上げに取り組みます。


E 派遣労働者等の非典型労働者の受け入れに関わる労使協議

近年、有期雇用者の急速な増大や、アウトソーシングが急拡大しているなかで、実態としては労働者派遣である「偽装請負」など、さまざまな問題が指摘されています。
派遣労働者については、労働者派遣法の改正によって、1年を越える期間、派遣労働者を受け入れる場合、労働組合に対する意見聴取が企業に義務付けられました。法の遵守はもとより、賃金、労働時間、安全衛生など、幅広い労働条件について、労使協議を行うなどの具体的な取り組みを行うことによって、非典型労働者の公正な処遇条件の確立に向けた労働組合の関与を高めていくこととします。
また、非典型労働者の受け入れ数や、職場で発生している問題や職場への影響などについて、定期的に労使協議を行う体制を整え、労使協議を充実していくこととします。
具体的な取り組み
○職場の秩序維持、職場の安全確保の観点から、派遣労働者等の非典型労働者受け入れに伴う法の遵守や公正な処遇のあり方について労使協議を行います。
○非典型労働者の受け入れ数や職場への影響・課題について労使協議を行います。

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2.政策・制度の取り組み

(1) デフレの早期解消と持続的景気回復の実現

国内景気は回復基調にあるものの、消費者物価上昇率は基調として0〜マイナス0%台前半で推移しています。一方で、原燃料価格は高騰しており、原燃料価格のインフレと製品価格のデフレとが併存する状況となっています。
国際的な原燃料インフレがそのまま国内物価に跳ね返るハイパーインフレを回避しつつ、同時に国内デフレを早期に解消し、景気回復を持続させるという、両睨みの政策展開を求めていきます。

(2) 産業別に形成される賃金の下支えと公正競争の確保を図る「産業別最低賃金」の継承・発展

「規制改革・民間開放推進3か年計画」(2004年3月19日)において、「産業別最低賃金の見直し」が盛り込まれました。すでに厚生労働省に「最低賃金のあり方に関する研究会」が設置され、見直し論議が開始されています。
金属労協は、産業別最低賃金の持つ「産業別に形成される賃金の下支え」と「公正競争の確保」という役割・機能の重要性を改めて認識し、産業別最低賃金の継承・発展の基本姿勢を堅持して「産業別最低賃金の見直し」への対応を図っていきます。


(3) ライフスタイル改革の契機となるサマータイム制度の導入

金属労協は、環境対策の観点とともに、明るい夕方の時間を活用し、家庭や地域を重視した新しいライフスタイルを構築するという観点から、サマータイム制度の早期導入を打ち出しています。これは「第2次賃金・労働政策」のめざす「生活との調和と自己実現」にも、大きな役割を果たすものです。
2004年8月には、サマータイム制度導入に向けて超党派議連が発足し、取り組みはいよいよ正念場を迎えている。金属労協として、世論喚起の活動、法案成立に向けた理解促進活動を強化していきます。

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W.2005年闘争のすすめ方

1.闘争日程の大綱

 闘争日程の大綱については、以下のとおりとしますが、具体的日程は闘争情勢を踏まえながら、戦術委員会、中央闘争委員会で決定します。闘争の山場の設定については、これまで同様、JC共闘としての集中回答の枠組みを堅持します。

(1) 要求前段の取り組み

@ 政策・制度の取り組み

 金属労協は、2004年4月に、「当面の景気回復と潜在成長力を回復させるための構造改革」、「ものづくり産業の国内生産基盤強化」、「勤労者の雇用と生活基盤の安定」、「官と民の役割の整理」の観点から、「金属労協 2004年政策・制度要求」を取りまとめ、財務省、国土交通省、農林水産省、総務省、内閣府、文部科学省、厚生労働省、環境省、経済産業省の各府省および民主党に対して、懇談・要請を行いました。

A 労使会議等の開催
 金属産業労使会議のもとに、産別書記長・書記次長と13企業の課長等による「事務レベル会議」を設置し、金属産業の国際競争力強化に向けた課題について論議を行い、労使の認識を深める取り組みを進めています。
 12月1日には、日本経団連との懇談を開催し、ものづくり産業の課題、グローバル経営とCSR、について意見交換を行いました。

B 日本経団連・経営労働政策委員会報告への対応
 12月に予定されている日本経団連「経営労働政策委員会報告」に対して、金属労協としての見解を表明するとともに、団体交渉対策資料として「2005年闘争ミニ白書」を作成します。

C 2005年闘争シンポジウム、2005年闘争中央討論集会の開催
 2004年11月10〜11日には、第2次賃金・労働政策を踏まえて「賃金・労働条件の社会性と労働組合の役割」をテーマとして、「2005年闘争シンポジウム」を開催しました。
 また、2005年1月18〜19日には、「2005年闘争中央討論集会」を開催し、各産別の取り組みを含めて相互に理解を深めるとともに、「2005年闘争ミニ白書」の内容充実のための論議を行います。

(2) 要求討議と集約

 各産別・単組は、協議委員会後ただちに要求策定に着手し、2月中旬までにはそれぞれの機関手続きを経て集約することとします。

(3) 要求提出と団体交渉

 要求提出は、速報対象組合を中心に2月第4週までに行い、直ちに団体交渉を開始することとします。また、金属労協として、交渉日程を可能な限り揃え、共闘の相乗効果を高めていきます。
 各産別は、産別交渉、巡回折衝など産別レベルでの取り組みを強化し、各単組の交渉を支える取り組みを行うこととします。

(4) 山場の設定

 闘争の山場については、共闘全体として最大限の効果を引き出せるよう、連合とも十分な調整のうえ、具体的には戦術委員会において決定します。
 金属労協全体として3月月内決着の取り組みをさらに強化し、中小組合を含めた相乗効果を追求していきます。

(5) 回答が受け入れがたい場合の対応

回答が受け入れがたいものであった場合、すばやく闘争態勢を確立できる体制を整えておくことが、経営側への圧力を高め、納得ある回答の引き出しにつながる観点から、そうした対応の強化を図ります。

2.闘争機関の配置

2005年闘争を推進するにあたり、闘争指導機関として次の委員会を設置します。交渉状況を踏まえながら、効果的な日程配置を図ることとします。

(1) 戦術委員会

闘争全般にわたる戦略・戦術の立案と推進を目的にした、闘争の最高指導機関として設置します。その構成は三役会議構成員とします。

(2) 中央闘争委員会

 闘争全般にわたる戦略・戦術の実践を目的として設置します。その構成は、常任幹事会構成員とします。

(3) 書記長会議

 戦術委員会の指示に基づき、戦略・戦術の具体的内容の検討、相互の連絡調整を目的として運営します。


3.組織・広報活動

(1) 地方組織との連携

 
 春季生活闘争の推進に向けて、地方ブロックを中心に研修会などを開催し、JC共闘の情報交換と相互理解および諸活動の実践を図るとともに、政策・制度や最低賃金の取り組みに関わる研修会の開催についても、積極的に地方ブロックあるいは金属部門連絡会と調整を行いながら推進していきます。

(2) 広報活動の推進

JC共闘の効果を最大限発揮するため、闘争の進捗にあわせて一体的な広報活動により闘争全体の盛り上げを図ります。また、「JC共闘FAXニュース」も活用効果を一層高めるべく充実を図ります。さらにホームページを活用した情報提供についても、より強化していきます。


4.他組織との連携

(1) 連合・金属部門連絡会との連携強化


金属労協は、連合・金属部門連絡会の活動を実質的に担う組織として、2005年闘争の成功に向けて役割を果たしていきます。

(2) 化学エネルギー鉱山労協(ICEM−JAF)との連携

民間産業に働く仲間として、化学エネルギー鉱山労協とのこれまでの連携を重視しつつ、闘争の成功に向けた取り組みを図っていきます。

以 上

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