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第75号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年1月31日)

グローバル・ユニオン、バングラデシュ協定に基づき多国籍ブランドと230万米ドルで和解

2018-01-22

バングラデシュ協定に基づく和解により、ある多国籍衣料ブランドが150以上の工場の安全性向上のために200万ドルを支払う
さらにインダストリオールとUNIの共同サプライチェーン労働者支援基金に30万ドルの寄付を行う

 インダストリオール・グローバルユニオンとUNIグローバルユニオンは、生命にかかわる作業場の危険要因を取り除くために、ある多国籍衣料ブランドと230万米ドルで和解した。この和解は、法的拘束力のある火災予防および建設物の安全に関するバングラデシュ協定に基づく仲裁プロセスを通して取り決められ、サプライチェーンにおける職場の危険を除去するために1社が支払った金額としては最高の部類に入る。

 このブランドは、和解条件に基づいて社名は公表できないが、バングラデシュで150以上の衣料工場を改善するために200万ドル支払うことに同意した。

 この衣料メーカーは、インダストリオールとUNIの共同サプライチェーン労働者支援基金に、さらに30万米ドルを寄付する。この基金は、グローバル・サプライチェーンで労働者の賃金・労働条件を改善するためのグローバル・ユニオンの活動を支援するために設立された。

 グローバル・ユニオンは常設仲裁裁判所に提訴し、このブランドは自社工場にタイムリーな危険の除去を要求せず、数千人の労働者を危険な状態に放置したと主張した。組合側は、同社がアコードの要件に従って、自社工場が継続的な安全性の問題を解決するための財源を確保しなかったことも非難した。

 2016年10月の提訴時点で、このブランドのサプライヤー工場であることが分かっている施設の中に、必要な改善を完了していた工場は1つもなく、すべての工場に未解決の高リスク安全問題が少なくとも1つはあった。例えば、火災報知機やスプリンクラー装置がない、防火扉がない、工場のボイラーから易燃性物質が分離されていない等である。

 組合側の仲裁請求を受けて、同社の契約工場のいくつかで前向きな動きが見られ、ある工場の改善率は2016年10月のおよそ50%から2017年10月には90%以上に上昇した。しかし、このブランドに供給しているその他多くの工場は依然として大きく後れを取っており、改善率は50%近辺にとどまり、重大な構造上・火災予防上の問題が未解決のままになっている。

 アコードが満了する2018年5月までに、必要な安全性向上をすべて完了する必要がある。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
 「今回の和解はバングラデシュ協定が機能していることを示している。これは法的拘束力のあるメカニズムによって多国籍企業に責任を負わせることができるという証拠だ。問題のブランドがバングラデシュのサプライヤー工場の安全に対する責任を真剣に受け止めるようになったことをうれしく思う。同社の金銭的貢献は他のブランドが従うべき見本になっている」

 クリスティー・ホフマンUNIグローバルユニオン書記次長は述べた。
 「アコードに基づき、ブランド各社は自社製品を製造しているバングラデシュの工場の是正に対する金銭的責任の一端を担わなければならず、この合意は私たちがこれらのアコードの約束を積極的に実施していることを示している」
 「今回の和解により、150を超える工場が基本的資源を得て、何年も前から必要だった修理をようやく実施できるようになる。私たちは、バングラデシュで仕事の安全性を高めるために全ブランドに相応の貢献をさせるべく引き続き圧力をかけていく」

 インダストリオールとUNIは2017年12月、やはりハーグの常設仲裁裁判所の管理下で、ある世界的ブランドと別の仲裁事件を示談にした。両方の和解の対象となる工場数は合計で200を優に超える。

 どちらの和解も、コビントン&バーリングのマーニー・チークと彼女のチームが、このグローバル・ユニオン2団体を無料で弁護してくれたおかげで可能となった。

 バングラデシュの既製服産業で働く250万人の労働者を対象とするアコードは、1,100人以上の衣料労働者が死亡し、2,000人以上が負傷したラナ・プラザ災害後の2013年にインダストリオールとUNIが策定した。この協定は、法的拘束力のある義務を盛り込み、ファッション・ブランドに対し、請負業者に火災・構造・電気関連の安全問題の解消を義務づけるよう求めた初めての取り決めである。

 アコード検査官は、これまでに200を超えるブランドに供給する1,800以上の工場で検査を行い、火災・電気・構造関連の危険を11万8,500件以上確認している。

 アコードの最初の検査で確認された職場の危険の83%がすでに改善され、500のアコード対象工場が必要な是正の90%以上を完了した。

 2017年6月に第2次アコードが締結された。この協定は最初の協定が失効する2018年5月に実施され、アコードによる保護を2021年5月31日まで延長する。ただし、その日までに、共同監視委員会(アコード署名ブランド、アコード署名労働組合、バングラデシュ衣料製造業者・輸出業者協会(BGMEA)、国際労働機関(ILO)、バングラデシュ政府で構成)が、国家取締機関への引き渡しに関する一連の厳しい条件が満たされていることに全会一致で合意した場合は延長されない。

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