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第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

組織化はICT産業の最優先課題

2023-05-23

2023年5月23日:5月9-10日にベトナムでICT電機・電子運営委員会が開催され、組織化、部門の発展、安全衛生、人権デュー・ディリジェンスをめぐり討議した。


この部門では、特にアマゾン、アップル、サムスン、マイクロソフトなど、組合の存在が目立たない企業で組織化が難しいことが判明しているが、ここ数年、一定の改善が見られる。この会合では、加盟組織の組織化努力に敬意を表し、組織化をこの部門の優先課題にすることを確認した。

韓国金属労組からの参加者が、2022年6月にサムスンSDIで組織化に成功したことを報告した。この成功に先立つ業績として、2019年に別のインダストリオール加盟組織である韓国金属労組連盟が、サムスンSDIを含むサムスンの3つの下位部門で労働者の組織化に成功した事例について報告している。両労働組合はサムスンの労働条件に対する懸念を表面し、労働者同士を競い合わせる不公正で不透明な賃金制度と長時間労働に言及した。

参加者は、市況下落や半導体産業の目まぐるしい変化、複雑な分業などが原因で、この産業の変動性が高まっていることについて議論した。運営委員会は、グローバル半導体ネットワークをさらに発展させ、インダストリオール加盟組織の間で情報や優良事例の交換を促進することを強調した。

労働組合の目的は、グローバル枠組み協定や労働組合ネットワークの現在の影響力と併せて、ドイツやフランス、その他の欧州諸国の人権デュー・ディリジェンス(HRDD)法と日本のガイドラインを利用しながら、半導体をはじめとするエレクトロニクス製造業とそのサプライチェーンへ、社会的責任のある投資を要求していくことである。

アレクサンダー・イワーノウ・インダストリオールICT電機・電子担当部長が次のように述べた。

「HRDD関連の法律やガイドラインによって訴訟を起こし、この産業でILO基準と人権が尊重されるようにする必要がある。ILO加盟国には、最近追加された労働安全衛生に関する第155号条約および第187号条約を含めて、すべてのILO基本条約に従う義務がある」

マレーシアの電子産業従業員組合(EIEU)によると、STマイクロエレクトロニクスでは危険な労働環境が起因して、このパンデミック下で20人の労働者が死亡した。

運営委員会は、人工知能(AI)が雇用に及ぼす可能性のある影響について深い懸念を表明した。労働組合は、AIの影響を受けるすべての労働者のために公正な移行を要求し、「ルールを採用する必要があり、労働者を開発の一部にすべきだ」と述べている。

 

インドネシア金属労連(FSPMI)のプリハナニ・ボエナディICT電機電子部門共同部会長が次のように述べた。

「私たちには、デジタル時代に労働者の権利を保護するうえで果たすべき重要な役割がある。組合は今すぐデジタル化を再構築し、職場へのデジタル技術流入との関連で労働者の権利強化を求めて交渉すべく尽力しなければならない。組合は、これらの技術が労働者に及ぼす可能性のある、もしくは既に及ぼしている影響を軽減する必要がある」

「より良い未来を確保するために議論を深める必要がある。ロシアのウクライナ侵攻に起因する国際エネルギー市場の混乱と需給逼迫への対応に加えて、脱炭素電源の利用を促進しつつ、電力の安定供給を確保するためのシステムを開発する必要がある。エネルギー価格と原料価格が急騰しており、物価が急上昇し続けているため、このような事態の展開は私たちの仕事と日常生活に大きな影響を与えている」と全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)中央執行委員長の神保政史ICT電機・電子部門共同部会長は述べた。

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