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第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

ミャンマーでは人権デュー・ディリジェンスが不可能

2023-05-01

【JCM記事要約】

  • ミャンマーにて軍事クーデターが発生してから2年以上が経過した今もなお、状況はさらに悪化し続けている。組合は非合法化され、賃金搾取や女性に対するハラスメントが増加しており、さらに国軍は攻撃や逮捕によって組合及び組合員を弾圧している。
  • すべての企業がミャンマーから撤退し、国軍への資金源を断たなければ、人権デュー・ディリジェンスを実施することができない。インダストリオールは、同国で活動しているすべての多国籍企業に投資の引き揚げを求めるミャンマーの組合による要求を支持している。

2023年5月1日:ミャンマーでは、軍事クーデターから2年以上経っても、国民と労働者を取り巻く状況がさらに悪化している。メーデーは、労働者の権利を求め、侵害に反対して声を上げる日である――ミャンマーの軍事独裁政権下では人権デュー・ディリジェンスを実施できず、企業は同国からの責任ある撤退を計画しなければならない。


2021年2月にミャンマーで軍事クーデターが起こったあと、インダストリオールは、同国で活動しているすべての多国籍企業に投資の引き揚げを求めるミャンマーの組合による要求を支持した。この国で事業を維持している企業は、人道危機の拡大に不本意ながらも共謀しており、軍が自国民に対して仕掛けた戦争に事実上資金を供給し、最近、空爆によって100人以上を殺害している。

状況は悪化の一途をたどっている。組合は非合法化され、労働者支援メカニズムも結社の自由もなく、労働者は非常に弱い立場にある。労働者に対する侵害が広がっており、賃金搾取や強制労働、女性に対するハラスメントも増加している。国軍は暴力的な攻撃や逮捕によって組合と組合員を弾圧している。60人を超える労働組合員が捏造された容疑で投獄されており、この組合員たちを直ちに釈放しなければならない。

EU資金によるMADE in Myanmarプロジェクトは、組合の代わりに使用者が選んだ「労働者代表」を導入して衣料製造部門を支援すると主張しており、憂慮すべき取り組みである。使用者は、政治情勢につけ込んで労働者から権利を奪い、ミャンマーで重大な人権・労働権侵害が続くに任せると同時に、軍の正当性獲得を支援している。

結社の自由は基本的人権であり、EUの基本原則である。軍事政権下のミャンマーにおける組合と団体交渉権に対する制約は、このEUイニシアティブの正当性に疑問を投げかける深刻な懸念である。

投資は労働権に長期的影響を与える。すべての企業がミャンマーから撤退し、国軍への資金源を断つべきである。責任ある撤退の計画が、世界的な人権基準を支持する唯一の立場である。軍事独裁政権下の内戦状態でデュー・ディリジェンスを実施することはできない。

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