広報ニュース

第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

ミャンマーの組合、EU衣料部門イニシアティブを非難

2023-04-18

【JCM記事要約】

  • ミャンマーの労働組合は、EUの出資によるMADE in Myanmarプロジェクトを非難している。これは組合の代わりに使用者に選ばれた「労働者代表」を交渉へ導入するものであるが、軍事政権が組合を攻撃的に弾圧している国ではこれを実施することはできず、軍事政権が正当性を得やすくするのでは、と労働組合は懸念を示している。
  • さらにインダストリオールおよびインダストリオール・ヨーロッパ労働組合もこのプロジェクトに懸念を示しており、欧州連合に書簡を送付している。インダストリオール・アトレ書記長は、同プロジェクトは労働権を認めているというように見せかけ、その活動が国家行政評議会(SAC)を支援し合法化していることを強く批判している。

2023年4月18日:ミャンマーの労働組合は、EUの出資によるMADE in Myanmarプロジェクトを非難している。このプロジェクトは、組合の代わりに使用者に選ばれた「労働者代表」を導入することによって衣料製造部門を支援する、と主張している。


ミャンマーのアパレル産業における適正な雇用のためのマルチステークホルダー同盟(MADE in Myanmar)は、社会的対話・団体交渉メカニズムを促進すると主張している。

このイニシアティブは、コミュニケーションと協力を改善するために、労使委員会ならびに労働者と工場経営陣の訓練・能力強化の開発を支援するとしている。しかし、2021年2月のクーデター以降、軍事政権が組合を攻撃的に弾圧している国では、これは不可能である。

ミャンマー労働同盟をはじめとする組織は欧州連合への書簡で、ミャンマーにおける独立労働組合の禁止は結社の自由を愚弄するものであり、MADE in Myanmarは軍事政権が正当性を得やすくする、と主張している。

インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合も欧州連合に書簡を送り、このEUイニシアティブに対する懸念を表明した。

「使用者は、政治情勢に便乗して労働者から権利を奪っている。ミャンマーでは重大な人権・労働権侵害が続いている」

結社の自由は基本的人権であり、EUの基本原則である。軍事政権下のミャンマーにおける組合と団体交渉権に対する制約は、このEUイニシアティブの正当性に疑問を投げかける深刻な懸念である。

EUへの書簡は次の点も強調している。

MADE in Myanmarの支援を受けて、代表的ではない組織が国家行政評議会(SAC)の組合登録メカニズムの下で登録されている。MADE in Myanmarは、使用者が厳しく吟味した労働者代表から成る職場調整委員会の設置によって、使用者とSACの両方に、社会的対話が存在するという印象を与えるためのプロパガンダを提供している。これは、ミャンマーは結社の自由を認めている、組合が承認・登録され、自由に活動できる、労働権が保護されているという間違った印象を与える」

2022年9月に倫理的貿易イニシアティブ(ETI)が委託した報告によると、ブランドがミャンマーでデュー・ディリジェンスを実施し、世界的に認められた責任あるビジネス基準に従うことは不可能である。

メッセージは非常に明確である――国際労働組合運動はEUに対し、SMART Myanmar/MADE in Myanmarプログラムへの支持をやめるよう求める。

「インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、MADE in Myanmarが労働者の権利を保護しているかのように見せかけ、その活動がSACを支援し合法化していることに強い反対を表明する」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

« 前のニュース  次のニュース »