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第159号インダストリオール・ウエブサイトニュース(2023年9月22日)

インダストリオール執行委員会、平和と社会的公正を要求

2023-06-20

2023年6月20日:6月19日にケープタウンでインダストリオール執行委員会が開催され、戦争や不平等、貧困、大量飢餓、気候災害、流行病、労働者・労働組合の権利侵害の拡大という世界的危機へのインダストリオール加盟組織の対応が、議題項目として取り上げられた。この会合は6月20-22日に同じくケープタウンで開催される中間政策会議の直前に開かれ、60カ国から200人の代議員が参加した。


執行委員会は、ロシア軍の撤退とウクライナの領土保全の回復、ウクライナの組合のために連帯と社会的公正、平和を求めるキャンペーンを要求した。2022年2月の侵攻開始以降、ウクライナのエネルギー供給の47%以上がロシア軍によって寸断された。ウクライナの組合Atomprofsilkaのレイサ・セメニアカが、ウクライナの労働者と国民の計り知れない苦しみについて執行委員に語った。労働者の権利は、新たに導入された法律によっても削減されており、この法律は欧州労働法とILO第87号条約(結社の自由と団結権の保護)および第98号条約(団結権・団体交渉権)に違反している。

執行委員会は、世界中で労働者・労働組合の権利侵害が頻発していることを強調した。例えば、女性を殺害するタリバン政権、女性労働者の権利と人権を侵害しているアフガニスタン、労働組合員が投獄されているベラルーシである。会合では、キム・ジュンヨン書記長の釈放を求める決議も採択した。この決議は、韓国の政府・警察による労働者の暴力的弾圧と反組合的で企業寄りの行動、ならびにポスコによる組合権侵害を強く非難している。

そしてミャンマーに関して、アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長が次のように述べた。

「私たちは国際レベルで全労働者の強力な代弁機関になる必要があり、現在、すべてのブランドに圧力をかけて責任ある撤退計画を要求している。プリマーク、ユニクロ、インディテックスのような大手ブランドから前向きなシグナルが届いている。H&Mのように、まだミャンマーで十分なデュー・ディリジェンスを実施できると考えており、残留を主張している企業もある。その逆を示す証拠のほうが多く、弁解の余地はない」

また、モロッコの組合FNTE/UMTのアブデルマジド・マトウアルは執行委員会にて、同国では現在、政府と組合の関係が不安定だと話した。社会的対話が存在せず、政府は組合との協定をまだ実施していない。

バングラデシュ協定が同国の繊維・衣料部門でより安全な労働環境の達成に成功したことについて、バングラデシュの組合BGIWFのカルポナ・アクテルが、労働者の利益を確保するために法的拘束力のある協定が必要だと強調した。バングラデシュ協定は現在、パキスタンに拡大されている。

ボスニアHIN BIHのイルバナ・スマイロビッチが、6月18日に開催された女性委員会から報告し、フェミニズムはどのように組合を変えることができるか問いかけ、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント、女性蔑視および性差別に関する強力な方針の必要性を強調した。

「アフリカは極めて重要であり、社会的不平等とグローバル資本主義の影響によって破壊されるがままにしてはならない。この大陸は、持続可能な産業・貿易政策とディーセントな雇用による、尊厳のある形の開発を必要としている」とイェルク・ホフマン・インダストリオール会長が開会の辞で述べた。会長は南アフリカの加盟組織NUM、NUMSA、SACTWUおよびUASAの支援に感謝した。

そのほか、インダストリオールがILO総会に参加し、国際基準・勧告の適用に関する専門家委員会に声明を提出するとともに、公正な移行をめぐって議論したことが取り上げられた。会合は、2025年の次期インダストリオール大会まで、今後の執行委員会に青年をオブザーバーとして参加させることに合意した。さらに、最近設立されたグローバル多国籍企業政策委員会が、サプライチェーンのデュー・ディリジェンスの問題に対処する予定であり、これは現在のグローバル枠組み協定を補う。執行委員会は、インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合の協力強化も決議した。

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