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第192号インダストリオール・ウェブサイトニュース

ILO、三者協議でリサイクルのディーセント・ワーク基準を設定

2025-06-04

ILOは、長年にわたる労働組合の主張と、5月5日~9日、ジュネーブで行われた集中的な交渉の末、リサイクルにおけるディーセント・ワーク推進のための政策ガイドラインを発表した。政府、使用者、労働組合の代表によって採択されたこの文書は、2025年11月に開催される第355回ILO理事会に提出される予定である。


この成果は、インダストリオール・グローバルユニオンが代表を務める船舶解撤、電子機器、ICT、繊維、化学、プラスチックなどの部門で廃棄物リサイクルに重要な役割を果たしている世界中の数百万人の労働者にとって画期的な出来事である。これらの部門を代表する労働組合は交渉に積極的に参加し、 PDF正規・非正規経済双方の労働者の利益を擁護している。

新ガイドラインは PDF、リサイクルを不可欠な経済・環境活動であり、循環型経済の礎石であると規定している。しかし、この部門が自動的に公正で安全なものになるわけではないことも強調している。そのため、この文書では、すべてのリサイクル活動において生産的な雇用、労働者の権利、社会的保護、社会対話を確保するために、政府、使用者、労働組合に対して明確な勧告を行なっている。

最も重要なハイライトのいくつかは以下の通りである:

  • 特に、不安定でインフォーマルな条件で働く数百万人の人々のために、リサイクル労働を正規化すること。
  • 船舶解撤や電子・化学廃棄物の取り扱いといったリスクの高い部門に特に注意を払いながら、労働安全衛生を強化すること。
  • 特にリサイクル工程におけるデジタル化と技術シフトに対応できるよう労働者に技能開発と生涯学習を提供すること。
  • 公正で持続可能なリサイクル・システムの中心的な柱として、結社の自由や団体交渉を含む労働基本権を尊重すること。
  • 労働条件を改善し、社会から疎外された労働者の代表を拡大するための代替手段としての協同組合と社会的・連帯経済の重要な役割

インダストリオールの松﨑寛書記次長は次のように述べた:

「これらのガイドラインは、リサイクルをディーセント・ワークの推進力に変える強力なツールである。私たちの目標は明確だ。労働者がこのガイドラインを利用してより多くの組合員を組織し、循環型経済への移行において誰一人取り残されることのない安全な労働環境を確保することだ」。

ガイドラインには法的拘束力はないが、法律、公共政策、部門別戦略、あらゆるレベルの社会的対話の枠組みを設計する上で不可欠な参考資料となる。このガイドラインは、社会正義を循環型経済の中心に据えるための大きな一歩である。

インダストリオールは、これらの勧告が各国で具体的な行動に移され、労働組合の積極的な参加を得て実施されるよう取り組んでいく。

写真 © Alioune Ndiaye / ILO

【原文記事URL】
ILO sets decent work standards for recycling through tripartite deal | IndustriALL 外部リンク

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