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第194号インダストリオール・ウェブサイトニュース

グローバル条約発効で船舶解撤労働者にとって大きな節目

2025-06-26

今日6月26日、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(香港条約)が発効し、たびたび世界で最も危険な産業と呼ばれる部門の労働者にとって画期的な一歩となる。


2009年に国際海事機構が採択した香港条約は、使用済み船舶を解体するための国際基準を設定しており、安全性と環境保護、労働者の権利を義務づけている。不適合な解撤場は操業を許可されなくなる。

「これは大勝利だ!香港条約の発効は、インダストリオールと加盟組織による断固とした長期キャンペーンの成果だ。この条約は、安全かつ環境上適正な船舶リサイクルの枠組みを与える。骨子に肉付けして香港条約を生きた文書にし、労働者と環境を保護すると同時に良質な雇用を創出して地域経済に貢献するようにすることが、すべてのステークホルダー――使用者、組合、政府、現金購入者、船主――の手に委ねられている」とウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は言う。

今日パキスタンのカラチで、条約の発効を記念して円卓会議が開催された。この行事はインダストリオール加盟組織の全国労働組合連盟(NTUF)が主催し、組合と政府当局者、船舶解撤産業代表が集まった。パキスタンは2023年12月に香港条約を批准し、23番目の批准国になった。これですべての主要な船舶リサイクル国が条約を批准した。

香港条約の規則に基づいて、解撤場は解体開始前に詳細なリサイクル計画を提出し、厳しい基準を満たさなければならない。危険物は安全に除去し、火気使用工事証明書の発行を受け、部材は海岸でそのまま切断するのではなく不浸透性の床で切断しなければならない。労働者には適切な訓練と個人用保護具も提供しなければならない。

参加者は、高い税金との野放しの密輸によって、パキスタンでこの部門が衰退していることについて懸念を提起した。ガダニの63カ所の船舶解撤場のうち、現在操業しているのは2カ所か3カ所だけである。約10カ所で改良が進んでいるが、香港条約の基準を満たす解撤場はまだ1つもない。条約に沿った国家政策が緊急に要求された。

インダストリオールと加盟組織は、香港条約の実施を監視し、部門全体で安全性と環境保護の向上を強く要求すると誓約した。

「船舶リサイクルは質の高い雇用と地域開発をもたらす可能性がある。だが、そのためには政府のリーダーシップと使用者の投資、労働組合との協力が必要だ。香港条約は骨格であり、私たちの集団行動はそれに生命を与える」とウォルトン・パントランドは言う。

写真:インドのアラン船舶解撤場

【原文記事URL】
Milestone for shipbreaking workers as global Convention comes into force | IndustriALL

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